合理的でお金にシビアなイメージのある堀江貴文氏だが、実は「お金より大切なものがある」と語る。実際、お金に執着しない生き方が、ライブドアの立ち上げにつながり、自然とお金を引き寄せる結果を生んでいるという。本当の意味で子どもをお金で苦労させないために、親は何を教えるべきなのか?※本稿は、堀江貴文『バカ親につけるクスリ』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。【この記事の画像を見る】● オープンイノベーション時代に 教科書的な勉強はもうオワコン
これからの学びは、「オープンイノベーション」が大前提になる。学校に通い、先生から教わるという既存のシステムはもう通用しなくなる。
オープンイノベーションとは、自社だけでなく、他社や大学、地方自治体、社会起業家などの異業種・異分野が持つ、技術・アイデア・サービス・ノウハウ・データなどを組み合わせ、革新的なビジネスモデルや研究成果、製品・サービス開発、組織改革、地域活性化といった変革につなげる、イノベーションの方法論のことだ。
今や、ネット上に持ち込まれる最新の情報にアクセスするスキルさえあれば、自分が知りたいことを際限なく探究することができるし、誰もが平等に実践する機会を持てるようになった。物理的な制約条件はなくなりつつある。
オープンイノベーションでは、あらゆるリソースを無償で使える。
お金も地位も、人脈さえもいらない。誰だって、他人が作った最新のツールやデータを利用し、次々と新しいアイデアに進化させ、世界に発信していける。発信すればフィードバックが集まり、アイデアはさらにブラッシュアップされていく。
そうやって高速で行動、検証、改善を続けて進化していく者と、教科書などのマニュアルをなぞることだけを繰り返している者とでは、どちらが人間として進歩するか、考えるまでもないだろう。
● 炎上はビジネスのヒントや 広い視野を得るためのチャンス
そして情報は、ただ収集=インプットするだけではなく、自ら発信=アウトプットすべきものである。
SNSを利用すれば、自分が「面白いな」「この人の話聞いてみたいな」と思う人たちの情報に一瞬でアクセスできる。自分の手で、世界中の頭のいい人たちが発する「最先端の情報」に、いつでも触れられる。
だが、それだけでは不十分だ。
X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、YouTube、TikTok、ブログ……発信の場は動画でも文章でもなんでもいい。子どもには積極的にSNSで発信させるべきだ。
発信の利点は2つある。1つ目は、毎日発信し続けるだけで、情報を有機的につなげることができ、知識を深めたり、自分の思考をたくましく鍛えていけたりする点だ。
批判や中傷の言葉が飛んできて「炎上」することもあるかもしれない。しかしそんな瑣末なことに気を取られる必要はない。
僕もよく炎上しているが、それで学ぶことも、ビジネスのヒントを得ることも多々ある。
情報をSNS上でアウトプットし、多くの人の意見を取り入れることで、より多角的な視座を手に入れることができる。インプットとアウトプットの両方のバランスがとれているとき、人は格段に成長できるのだ。
炎上のリスクがあるからといって行動しない「小利口」より、すぐに行動する「バカ」になるべきだ。経験して、失敗をするからこそ、人は格段に成長できるのだ。
我が子をAI時代に活躍できる人材にしたいなら、炎上リスクを恐れるな。
発信の2つ目の利点は、やりたいことやハマれるものに対する思いを毎日自発的に発信し続けることで、ファンが生まれ、「遊びを極めてお金を稼ぐ」ことも可能になっていくからだ。
なおSNSで発信するとき、「誰かに言われたからやる」「ノルマだからしぶしぶこなす」という姿勢で取り組んでいてはダメだ。自発的に発信しなければならない。