お母さんのせいだからな!〈年金月12万円〉77歳母と同居する49歳非正規男性。彼が取った「驚愕行動」

高齢の親と暮らす子。その生活が親の年金を頼りに成り立っていると、些細なきっかけで崩壊の危機を迎えます。もはや社会問題となっている「8050問題」。その深刻な実態と、親子が共倒れになる前に知っておくべき支援や予防策についてみていきましょう。▼【ランキング】都道府県「ニート率」…3位「福岡」2位「和歌山」1位はニート率3.22%
「私のせい……でしょうか」

田中良子さん(77歳・仮名)。都内の一軒家で、ひとり息子の誠さん(49歳・仮名)と2人で暮らしています。その生活を支えているのは、良子さんの月12万円の年金と、誠さんの手取り月20万円ほどの給与。誠さんは、大学新卒時に就職した会社を30歳前に退職。一時、自宅に引きこもる生活が続きましたが、今は、非正規社員として働いています。

「就職した会社が厳しい会社で、今なら心の病だといわれるけど、当時は怠け者といわれて……息子はツラい思いをしたと思う」

良子さんは、非正規であっても働くことができるようになった誠さんに対し、安堵感を覚えていたといいます。しかし親子関係がぎくしゃくし始めたのは、良子さんが自宅で転倒し、大腿骨を骨折してからでした。全治3カ月。思うように動けない良子さんの介助と仕事の両立に、誠さんは日に日に苛立っているように見えたといいます。そしてある日、親戚らが「あんたがもっとしっかりしないと」と誠さんに発破をかけたところ逆効果。ついに感情が爆発します。

「こうなったのは、全部、お母さんのせいだろ! 俺がなんでこんな惨めな思いをしなきゃいけないんだ!」

突然の息子の叫びに、良子さんは言葉を失ったといいます。

「希望の業界での就職が叶わなかった息子に、『大学まで行ったんだから。どこでもいいから就職はしておきなさい』と言いました。その言葉の通り、息子はとりあえず内定をいただいた会社に就職したんですが……人生、うまくいかなくなったのは、この就職がきっかけ、と思っているんでしょうね」

後悔を口にする良子さんに、追い打ちをかけるような出来事が起きたといいます。良子さんは退院後の生活費や、家に手すりをつけるリフォーム費用を相談するため、誠さんに預けていた通帳を確認したいと伝えました。すると誠さんは頑なにそれを拒否。問い詰めるうちに、誠さんはとんでもない事実を白状したのです。

誠さんは、良子さんが骨折で入院している間に、母親がパート代や年金からコツコツと貯めてきた数百万円の貯蓄に無断で手を付け、その大半をハイリスクなFX(外国為替証拠金取引)につぎ込んでいました。

「人生、一発逆転を狙ったんだ……」

あまりの突拍子もない行動に、再び言葉が出なかったという良子さん。幸い、最終的な損失額は100万円程度で済んだといいますが、誠さんの将来に対して、不安がますます大きくなる出来事だったといいます。

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